このブログをご覧のみなさん、こんにちは。

「お天道様(神様)が見ている」を「誰もいないからといって悪いことをすれば、神様がちゃんと見ていて必ず罰が下る」もしくは「正しいことをやっていたら、神様はちゃんと見ていて必ず報いてくれる」という意味で使っている人がいます。似たような使われ方で「努力は裏切らない」もありますね。

しかし、「お天道様(神様)が見ている」という言葉の意味は以下の通り、「人間の悪事に対して、ほかの人間が誰も見ていなくても太陽はきちんと見ているのだから、どんな時でも悪事ははたらかぬべきだと説く語」であって、信賞必罰の意味はありません。

お天道様が見ている
人間の悪事に対して、ほかの人間が誰も見ていなくても太陽はきちんと見ているのだから、どんな時でも悪事ははたらかぬべきだと説く語。お天道様がそのまま太陽を意味することもあれば、神や仏といったものの象徴として扱われることもある。
お天道様が見てるとは – 日本語表現辞典 Weblio辞書

【信賞必罰】
手柄のあった者には必ず賞を与え,あやまちを犯した者は必ず罰すること。情実にとらわれず賞罰を厳正に行うこと。
信賞必罰の意味 韓非子に由来する四字熟語 – Weblio辞書

「お天道様(神様)が見ている」を正しい意味で使っている、または使っていないというのはさておき、この考え方は実はかなり危ういと考えています。

なぜか?

それは「“正しい”ことをしたから“報われる”」という考え方は「“正しい”ことをしたのに“報われない”」という思考に直結し、そこから不満が生じるためです。 そして、残念なことに世の中は必ずしも信賞必罰にはなっていませんし、正直者が馬鹿を見る世界になりがちです。

正直者(しょうじきもの)が馬鹿(ばか)を見(み)る
悪賢い者がずるく立ち回って得をするのに反し、正直な者はかえってひどい目にあう。世の中が乱れて、正しい事がなかなか通らないことをいう。正直者が損をする。
正直者が馬鹿を見るの意味 – 国語辞書 – goo辞書

それでは悪事を推奨するというのか?というと、そういうわけでもありません。 ただ、自分の心が正しいと思うことをなすのです。

Do what you feel in your heart to be right — for you’ll be criticized anyway. You’ll be “damned if you do, and damned if you don’t.”
- Eleanor Roosevelt
あなたの心が正しいと思うことをしなさい。どっちにしたって批判されるのだから。 ー エレノア・ルーズベルト Eleanor Roosevelt - Wikiquote

お天道様(神様)を含む“他者”からの評価を気にするのではなく、“自分(の心)”が正しいと思うことをするということです。